現代に甦らせる
古民家は日本人が創造した「日本の住文化」の傑作です。どっしりと存在感のある屋根。自然の曲がりが言いようのない趣を醸し出す梁。飴色に光る床。丁寧な細工が目を引く欄間や建具。障子越しのやわらかな光。こうした魅力にあふれる古民家が、ライフスタイルの変化や、経済・社会構造に適合せずに壊され、次々と失われつつあります。しかし、知恵を絞り、高い技術で再生することで、古民家はこの先もずっと生き続けることができるはずです。
ササキ設計は、一棟でも多くの古民家を未来につなげるために、古民家再生の仕事も積極的に行ってきました。20年前から、民家再生協会の「民家バンク」活動の延長で、古民家調査をたくさん行ってきました。調べた古民家は100棟ほど。そのうち約30棟を再生につなげることができました。そのまま失われてしまうには惜しい古民家を丁寧に解体し、新しい住まい手と出会うまで、部材として保管することもあります。
古民家でも我慢しない
古民家でも住みやすい
「寒い、暗い、使いづらい」 これは古民家が壊される理由の筆頭に挙げられます。しかし、こういった問題は断熱性を高め、採光を工夫し、動線を考えたプランにして、さらに新しい設備を入れることで、新築住宅に劣らない「住みやすい家」にリノベーションすることが可能です。
古民家の再生工事には、高い技術力が必要で、誰でもできるものではありません。普段、新築工事を重ねていくなかで、古民家の直し仕事を経験しているベテランの大工棟梁と何人も出会ったことが、ササキ設計が古民家再生を行うことができる理由の一つです。
状況によっては、
新築に近い金額で再生できることも
古民家再生というと、莫大な費用がかかると思われている人が多いと思います。確かに既存の古民家の調査に加え、再生するプランづくりをするので、設計作業を2回やるようなことになり、手間はかかります。移築再生の場合、丁寧に解体し、一つひとつの部材に番号をつけ、運送をする必要があるため、コスト高になるのは避けられません。しかし、建っている場所で再生する場合、構造材の状態がよければ、柱の根元と基礎の補強程度で済むこともあり、新築に近い金額で再生出来る場合もあるのです。状況によって差が大きいので、まずは一度、ご相談いただけたらと思います。