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設計料について

当社では、設計料・支払条件はご要望に応じてその都度交渉させていただいております。設計料の見積はなかなか難しいもので、事務所によって算出方法も違います。また、依頼主の方には事前にどの程度のものかを知っておいていただきたいものです。

当社の設計料の考え方や支払条件について説明します。

設計監理業務に対する報酬、一般的に設計料と呼ばれるものの考え方には大きく分けて「料率方式」と「実費報償加算方式」の二つの方式があります。

料率方式

料率方式は工事費にあらかじめ定められた料率を乗じて算定する方式です。古くからの実績もあり、依頼者にとっても設計者にとっても非常に簡便で使い易く分かり易いので、多くの事務所で採用されている方式でもあります。しかし、それぞれの事務所の業態によって経費の掛かり方も違うはずですし、個々の物件の特殊事情や付加価値・難易度の違いが反映しにくいという欠点があります。例えば、予算の厳しい仕事でコストダウンのために多大な労力を払った結果、自らの報酬を引き下げるという矛盾が生じることもあります。

実費報償加算方式

実費報償加算方式は業務に要するコスト(直接人件費。直接経費・間接経費・外注費等)に報償(技術料等)を加算して算定する方式です。個別の事情を勘案することが出来るので、現実的な方式と言えます。ただし、内訳が説明しにくいうえ、ある程度計画の概要が決まらないと算出できないという欠点があります。

当社は、この二つの方式を併用して算出いたします。料率方式(下表)を目安として、ある程度の工事概要が分かった時点で個別の事情を考慮して増減する考え方です。実際には増減するケースはなく、総予算の割り振りの中で、どこまで減額できるかという相談になります。
例えば、木造住宅の場合でも10%程度のことが多いです。

当社で参考にしている料率表は次の通りです。

料率表

工事費類別料率(%)
第1類第2類第3類第4類
1000万円9.1110.1211.1413.16
1500万円8.669.6210.5912.51
2000万円8.369.6210.5912.51
3000万円7.948.839.7111.47
4000万円7.668.519.3611.07
5000万円7.458.289.1110.76
6000万円7.288.098.9010.52
7000万円7.147.948.7310.32
8000万円7.037.818.5910.15
9000万円6.927.698.4610.00
1億円6.837.598.359.87

建物の用途による分類

第1類工場・車庫・市場・倉庫等の簡易なもの、上屋の類
第2類工場・車庫・市場・倉庫等の複雑なもの、体育館、スタジアム、発電所、学校、研究所、庁舎、事務所、停車場、百貨店、商店、共同住宅、寄宿舎の類
第3種銀行、美術館、博物館、図書館、公会堂、劇場、映画館、オーディトリアム、クラブ、ホテル、旅館、料理店、放送局、病院、診療所、高級共同住宅の類
第4種住宅

1. 中間の工事費については、上下の工事費を直接補完して料率を求めます。
2. 表中の料率は新築工事の料率であって、増築の場合は1.2倍、リフォームの場合は1.3倍とします。
3. 工事費は、契約時点での概算金額とします。

※この料率表は、旧日本建築家協会が昭和48年に制定し、現在は廃止されているものを使用しています。本来は物価変動補正すべきなのですが、このままでも当社の業態からして妥当と判断しています。なお、建設省告示1206号を参考にする方法もありますが、当社ではほとんど利用しておりません。
(ちなみに告示を利用した場合はこの表よりも概ね5%程度高くなります)

支払条件は、当社では次のように5回に分けてお願いしております。

1.設計契約締結時20%
2.基本設計完了時30%
3.実施設計完了時20%(設計業務70%)
4.工事上棟時15%
5.工事竣工時15%(監理業務30%)