健康な生活と美しい里山を甦らせます
地域材を使う家造りは、地元の里山の環境保全にもつながります。戦後の拡大造林で日本中の山に建築用材として使いやすい針葉樹が植林されましたが、一度人の手が入った山は、継続的に手入れをしていかないと、健全な状態に保つことができません。日本の国土の3分の2は森林で、その面積は過去50年間ほとんど変化はありませんが、木々は育って太くなりつづけているので、木の体積は毎年およそ8000万立米のペースで増え続けています。今の日本は成長した木を活用すべき状態なのです。人の手が入らず、荒れていくばかりの山がたくさんあります。これは安い輸入材、それを使った集成材が家造りに使われているためで、このままでは林業は衰退し、山は荒れていくばかりです。こうした山に手を入れることで、自分たちが住んでる環境を守り同時に地元林業が成り立つシステム作りを目指しています。私が取り組んでいるのは決して特殊な家作りではありません。無垢の木、漆喰、珪藻土、和紙、石などの自然素材を主な建築素材に現代の暮らしに合った住みやすく人にも自然環境にも負担の少ない住まいを作っています。無垢材の家はどこかに傷がついてもカンナで削ればきれいになります。多くの住宅に使われている集成材や化粧合板は新築から何年が経つと、傷つき、汚れてみすぼらしくなりますが、無垢材には色々な思い出が染み込み、その変化した色や風合いは、独特の美しさをまといます。時を経るごとに住む人にとっての価値が増していくのです。
できるだけ多くの人に愛着をもって
もらえる住まいを
そして伝統的な骨組みをそのまま見せるデザインは、木が本来持っている良さを最大限に味わうことができます。木の柔らかさ、ぬくもり、調湿性が心地良さを保ち、薪ストーブが真冬でも一台で家中暖めてくれます。屋根と壁は二重構造になっており、冬暖かく夏も過ごしやすい室内をつくります。年に数度、使用する木材の生産地である山に建て主様を案内し、実際に使う原木を見てもらっています。こうすることで自分の家にますます愛着心が湧いてくるのです。設計士が建てる家には一つとして同じものはありません。土地や環境、その住まい手にあった家を設計するためです。それは建主のライフスタイルに合わせた家作りをするために幾度となく打ち合わせを重ね建主独自(オリジナル)の家作りをモットーに設計しています。今後も住む側にとって歓迎され、感謝される注文木造住宅を広めていきます。