3. 環境設計について
(1)自然換気
1階エントランスホールから上部天窓までの吹抜け(=風の道)を利用して、建物内外の温度差による「重力換気」と風の圧力差による「風力換気」を自動で行うシステムとしています。夏期と中間期は建物内の熱を天窓の「自動開閉換気窓」から排出し、電気エネルギーはほとんど使用しません。一方、冬期は上部の暖かい空気を、天窓の「エアスイングファン」から1階まで吹き降ろし、エントランスホールを暖めます。
(2)採光・照明
エントランスホール廻りは、天窓からの採光によって昼間の照明点灯は殆ど必要ありませんし、最新の高効率照明器具(LED 照明など)の使用で、消費電力を抑えることが可能となっています。
(3)調湿効果
木材の調湿機能を活用するため、壁や天井は杉材の仕上げを基本としていますが、さらに調湿機能のあるヌリカラット(INAX)を壁に使用して室内環境の安定をはかっています。
4. 地産地消の考え方
身近な地域の資源を有効的に活用することで、間伐などによる手入れした山や里山の保全につながり、さらに環境を守る森を存続させることに繋がっていきます。今回の設計は構造材・骨組みから仕上げに至るまで、東北大学農学研究科が管理する、川渡農場の杉間伐材を主とした地産地消による身近な地域の材料と造り手を活用した計画とし、普段地場の職人が扱い慣れている、木造の伝統的仕口継手工法を採用し、地域経済の活性化に少しでも貢献できる様に考えました。
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