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2006年鶴岡市の商家の蔵を移築した登米市登米町の老舗うなぎ屋「東海亭」に移築しました。切欠は1875年創業の老舗の4代目が店の新築を考ていた2年前に古民家再生を取り上げたテレビを見て東北地区のリサイクル協会員に連絡し蔵の解体情報を入手して移築構想進めたところからはじまりました。その上で東北地区のリサイクル協会員である当社が設計依頼を受け遂行させていただきました。
明治の一時期、旧水沢県庁庁舎が置かれていた登米町は、旧登米高等尋常小学校校舎や旧登米警察署庁舎など、明治時代の建築物が多く残り、みやぎの明治村・登米町に移築されたのも何かの巡り合わせだと依頼を受けたときは即感じました。
移築された蔵は築約130年、広さ約124平方メートルの2階建て。36センチ角のケヤキ材の大黒柱は黒光りし、壁には16.5センチ角のクリ材の柱が約90センチ間隔で並び、元は鶴岡市内の米穀店の倉庫でしたが、数年前から空き家となり、近く解体される運命にまったをかけ、36センチ角のケヤキの大黒往やクリ材の柱など蔵の部材をほとんど再利用。
しっくいの白壁、黒塗りの杉板張りに瓦ぶき屋根で往時の姿を再現したのです。隣接する往居部分も古材をふんだんに取り入れ2階から北上川の流れを望めるよう設計しました。
古民家には懐かしさと斬新さが同居しているので、年代を問わず受け入れられるはず。日本の古き良き歴史の重みを受け継いでもらいたいと思っています。