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敷地は白石川の橋を渡り、国道を七ヶ宿方向に向かった福岡橋本の原屋敷という山形への旧道沿いにあります。
建物は南面桁方向11.5間、梁間方向5.7間」、2階桁方向も9間近くあるお屋敷で、和瓦葺きの切妻木造2階建て」で、一部平入の明治後期に建てられた養蚕農家の特徴を備えた大きな家です。
初めて訪れた時は、宮城県沖地震後に雨漏りがするようになった屋根がすでに和瓦葺きに葺き替えられて8年ほど経過した状態でした。
内部は床が特に痛んでおり、土壁も崩れている箇所も見られました。そこで、修復工事の方針として、費用の面を考慮し、ジャッキアップ等での上げ舞い工事は無しで、水平垂直の直し工事を最小限にし、床組みは新しく作り直し、水廻りをリニューアルし、明るい空間を目指しました。
基本方針として、まず、内観・外観共シックイに依る補修、板張りの補修等で、なるべく建てられた当初のの姿を戻したいと考えました。
お施主さんの希望で、所有の3000冊以上の本を納められる書庫を新設し、そこには、強度を考えてベタ基礎とし、その周囲の壁も耐震壁としました。又、水廻りの設備も新しくし、ダイニングキッチンのスペースを設けさらにトップライトを設置する事により、明るい空間となりました。
既存にあった立派な建具は痛みの激しい箇所は修復し、他は全てそのまま再利用し、南側1・2階縁側のガラス戸や新しく作られた間取りに設置する建具のみ新設することで、明治後期に建てられた当初のの姿を再現しました。